絶滅危惧種 XG音源

 Windows98世代?で全盛期を誇ったYamahaXG音源がもはや絶滅寸前です。

 MP3などの音声圧縮が栄える前は、パソコンなんてまともに音声を処理できるほどの性能はなかったので、音といえばほとんどBeep音同然でピーピープープーいうだけだったわけです。それが少しましになって、楽譜を自動的にコンピュータに演奏させる(に近い)Midiがはやりだしました。といってもピーピープープーの音が和音になっただけに近い感じでしたが。そのころ初めてWindowsマシンを自作しました。そしてそのとき初めてYamahaXG音源搭載のサウンドカード(YMF-724搭載)を使ったわけです。
 そのときの音質は今でも忘れません。初めてパソコンから音楽らしい音が流れてきました。そりゃWAVとかMP3とかとは別物なので人の声なんかは出せませんが、僅か数KBのファイルからそこそこまともなクラシックとかが聴けました。Midiの音質はハードウェアかソフトウェアに積んだサウンドフォントに依存していて、またそれが山ほど種類があります。ただ、このYamaha XG音源の音はなかなかできがよくて、今でも愛用してる人が結構いますね。まぁ私もその一人ですが。MicrosoftがGS音源を標準搭載したので、事実上MidiではGS音源が標準になってしまいましたが、明らかにどう聞いてもWindowsデフォルトのGS音源よりはXG音源の方が音がいいです。というか、デフォルトのGS音源っておもちゃみたいな音しかでないような…
 ところが、GSが業界標準になったことでXGはだんだん廃れて、Yamahaもサポートを取りやめてしまったので、もはや新しい環境に対応できなくなっています。最近は企業がサポートを取りやめるときに仕様などを公開してコミュニティーに維持管理を任せることがよくありますが、どうもXG音源はYamahaシンセサイザー等のベースになる重要な技術らしくて公開という話は全くないです。。。
 Yamahaがサポートを取りやめてもう3年ぐらいになるんでしょうか? 今まではなんとかYMF-7x4シリーズのハードウェアも、ソフトウェア音源(S-YXGシリーズとか)も動いていましたが、今後の64bit化によって使えなくなりそうです。いよいよ終演といった感じです。このXG用に書かれた大量のMidiファイルどうしよう… という感じです。とりあえずAudioEncoder辺りでmp3に変換してしまいましょうか。。。
 なかなかいい音質なのに、スタンダードに採用されず廃れていくってなんかわびしいですね。標準のGSの音を聞いて Midi=音おかしい と思われるようになるんでしょうね。