東証

 の新システムが順調に稼働し始めたみたいです。しかし東証のシステム増強の見通しの甘さには愕然としますね。実に11年ぶりのシステム更新と新聞各社も書いてますが、11年間もの間同じシステムを使い続けていたという事自体異常な気がしてなりません。今までの富士通のシステムの設計寿命が04年度までだったという話もあり、新システムの開発の遅れで旧システムをだましだまし使っていたというのが実態のようです。
http://shigemaro.cocolog-nifty.com/kumasan/2006/01/10_fc27.html

 去年の11月にシステムトラブルで取引が全面的に止まった日がありましたが、そもそも富士通側はシステムの対応年数を超えた機器を東証の指示で維持し続けてたという事を考えると、東証側の責任転嫁も甚だしいのではないかという感じです。もしも新システムに十分に投資して先手を打って改良していれば、すでにシステムは更新されていて、システムトラブルで富士通の株が下がることもなかったでしょう。

 今回の新しいシステムは日立の担当と言うことらしいです。ただ、処理件数については、稼働し始めたばかりのこともあり約定500万件のままだそうです。ニューヨーク証券取引所が通常の約定件数500万件に対して、システム性能として5,000万件程度と10倍近い余裕をみて設計しているのに対し、東証のシステムは数割の余裕しかありません。むしろ余裕というより常に逼迫した状態にあるといった方が正しいのではないでしょうか。

 ライブドア騒ぎの陰に隠れてますが、東証のシステムの弱さは現時点ではまだ解消されてません。次期システムは拡張性が十分にあるため、見通しはついたという感じですが。取引時間を60分に限定するという強引な対策でなんとか処理件数を押さえ込んだ訳ですが、これによって失った信頼は計り知れないでしょうね。

 年内に処理能力で約定800万件を目指すと言っていますが、常に最悪の事態を想定して処理能力を増強するのであれば、現時点の目標で数千万件の処理能力がないと危ういのではないでしょうか。800万件程度の増強では増え続ける個人投資家の取引増加分でおそらく食いつぶされるでしょう。ブラックマンデーみたいな事態になると全銘柄取引時間10分とかになるんでしょうか。